日々の生活の中の出来事を題材にした前店主の短歌(平成26年作)です。
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二が六に なれば嬉しい 大家族 されど居場所が なくなる我は にこにこと 両手をあげて 迫り来る 孫という名の 愛しき家族 題「家族」

ありがたき 幾多の文化 伝えなむ 高麗人(こまびと)の里 曼珠沙華咲く 暑き日を 思い出にする 今日彼岸 野辺に色づく 曼珠沙華の花 題「曼珠沙華」

水旨し 信州信濃の 豆腐屋は ラッパ鳴らして 人情商い つるつると 喉ごし楽し 手打ちそば 浅間温泉 玉の湯の味 題「夏の小旅行」

聖天の 名物いなり 購(あがな)いし おやすみ処で 歌会はじめぬ いにしえの 名工の技 語り継ぐ 国宝になる 妻沼聖天 題「妻沼聖天様」

店舗の防犯カメラに燕が巣をつくりました。その様子を短歌にしました。
燕(つばくろ)の チイチイの鳴く 愛の巣に 黒の帽子が 小さくそろう ねず色の 防犯カメラ 礎に 燕(つばくろ)の二羽 巣づくり最中(さなか) 題「つばめ」

観音の 右手に繋がる 紅白の 綱を握りて われも祈りぬ 諸人の 幾多の苦難を 救いなん 千手観音 きょう御開帳 題「御開帳」

ふるさとに 古民家カフェを はじめると お茶をすすめる 老夫婦あり 主なき ふる里の家 訪ね来ぬ 福寿草咲く 彼岸の入りに 題「彼岸の入り」

ご近所と 力を合わせ 除雪する 二週続きの 春の大雪 雪掃きが 雪堀りになる 春の雪 妻のむすびの ありがたきこと 題「春の大雪」

年越しの 社のおこもり 氏子衆 焚火に手かざし 被災地思う 参道に 午前零時の 知らせ待つ 祈り新たに 二年参りは 題「年越し」